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* ''研究内容'' [#q140e21a]

- [[pdf:http://www.e.usp.ac.jp/pdf/powerelectronics.pdf]]
** 系統連系システムの電力制御 [#w1e2e846]
 太陽光発電システムの平滑化用蓄電池の充放電電流を抑制することができる,系統連系用インバータの新しい制御手法を提案し,その効果をパワーエレクトロニクス回路解析ソフトウェアであるPSIMを用いたシミュレーションおよび研究室で製作した小型の模擬実験装置を用いた実験により検討している([[詳細はこちら:https://drive.google.com/file/d/1u5XxLSM9sDfaOs1J6VO-42x3_x_HHVAA/view?usp=sharing]]).この制御手法により,平滑化用蓄電池の容量削減および長寿命化の効果が期待できる.

** リチウムイオン二次電池 [#ee9a51a9]
 リチウムイオン二次電池は,ノートパソコンやスマートフォンなどのモバイル機器のバッテリーとして広く普及している.近年では,リチウムイオン二次電池が電気自動車にも使われ始めており,世界各国の排ガス規制に後押しされるかたちで,電気自動車の普及が伸びることとともに,リチウムイオン二次電池の必要性が高まってくることも予想される.しかし,リチウムイオン二次電池は問題も抱えている.それは,リチウムイオン二次電池そのものが可燃性であることや劣化度診断,寿命予測の技術が確立していないことである.上述した課題に対して我々のグループでは,電池の発熱量や交流インピーダンスを測定,推定することで克服を目指している.

*** リチウムイオン二次電池の交流インピーダンス特性の温度依存性の検討 [#x203389f]
 我々のグループでは,リチウムイオン二次電池の劣化度診断や寿命予測の技術への利用を期待して,リチウムイオン二次電池の交流インピーダンス特性を測定している.測定結果より,その特性を分析し,推定方法の確立を目指している.
交流インピーダンス特性は,リチウムイオン二次電池の状態(劣化度,充電状態,使用時温度など)により時々刻々と変化する.交流インピーダンス特性の電池状態に対する依存性を測定から明らかにし,従来よりも少ない計測点数で交流インピーダンス特性を推定できる手法の確立を目指している.

&ref(研究内容/簡便等価回路のCole-Cloleプロット.png,10%);&ref(研究内容/リチウムイオン二次電池の簡便等価回路.png,10%);&ref(研究内容/リチウムイオン二次電池の交流インピーダンス特性の測定例.png,10%);


*** リチウムイオン二次電池の発熱量および温度推定 [#x203389f]
 リチウムイオン電池を高温環境下で使用を続けた場合,発火や爆発などに至る可能性があり,大容量電池は大電流で使用することから高温状態になり易くなることから,より精度の高い温度制御が求められる.本研究室では,小型単体のリチウムイオン電池およびそれを複数用いたモジュールを対象として,電池の温度制御に必要となる内部発熱量や電池内外の温度分布の推定に向けた研究を行っている.電池内部の発熱量については内部等価回路の回路定数を用いて推定を行い,電池内外の温度分布については発熱量推定値を用いて数値計算により推定を行い,それぞれ測定値との比較検討を行っている.

&ref(研究内容/小型単体のリチウムイオン電池の発熱量.jpg,30%); &ref(研究内容/小型単体の電池を複数用いたモジュール.jpg,30%); &ref(研究内容/電池モジュールの各測定点の温度変化.jpg,30%);


** 熱音響システム [#g097f092]

 熱音響技術を応用した熱音響システムは,入力エネルギー源を選ばないことが最大の長所である.つまり,太陽熱エネルギーなどの自然エネルギー,自動車や工場などの廃熱を入力エネルギー源として利用することができる.その他にも,地球環境の破壊につながる有毒な充填ガスを用いる必要がないこと,可動部が無く構造が簡単なため信頼性が高いことなどが長所として挙げられる.一方,現状において,システムの形状の自由度が低いことやエネルギー変換効率が低いことなどが課題として残る.これらを解決し,システムの実用化を目指して研究を進めている.様々なテーマについて研究開発を進めているが,一例を下記に挙げる.

*** 熱音響冷却システム [#s1ad4569]
 このシステムは多様な分野で実用化検討されており,可動部がないことや廃熱の利用が可能などの長所を活かすと,地球への環境負荷が極めて小さい冷却システムの実現ができると期待されている.我々のグループでは室温から氷点下20℃までの冷却に成功している.

#ref(研究内容/netsuonkyo1.jpg,10%)

*** 小型熱音響システム [#v629cb26]
 熱から音,音から熱の相互エネルギー変換である熱音響現象を利用したシステムの研究を行っている.熱音響現象を利用することで,熱から音から電気という過程による熱音響発電システムが実現できる.熱音響発電システムは廃熱や太陽熱などの未利用熱を有効利用することができる.現在は,エネルギーハーベスティングへの応用を視野に,全長25 mm程度の小型熱音響発電システムの実用化に向けた研究を行っており,全長50 mmのシステムにおいて駆動に成功している.

#ref(研究内容/netsuonkyo2.png,30%)

*** 低温度発振熱音響システム [#nb8a5053]
 廃棄される熱エネルギーを用いて,冷却するという新たなシステムに対した研究を行っている.このシステムは熱音響冷却システムと呼ばれている.近年のエネルギーの活用技術により200℃以上の高温の排熱回収は進んできている.一方150℃以下の低温の廃熱量は莫大であり,それが有効活用されずにいる.そこで,私たちが研究している熱音響冷却システムはこの本来捨てられるだけの低温廃熱を駆動エネルギーとして活用することが可能なため,新たなエネルギー活用技術として期待されている.

#ref(研究内容/netsuonkyo3.jpg,25%)


** 大電力アークの消弧技術 [#d1954bf4]
 大電力系統用遮断器では,アーク放電により生じる高温のプラズマを冷却することで,電極間を電気的絶縁状態に回復させて電流を切断する。圧縮性流体力学,電磁気学にもとづく数値シミュレーションにより,新たな電流遮断方式の提案や既存の遮断器の高性能・小型化を目指して研究を進めている.

#ref(研究内容/magnetic.png,65%)